石國商店の包装紙を

中学2年のとき一緒のクラスだった石田国久さん。サッカー大好き男子として記憶に鮮明だったその石田さんは、家業を継いで3代目の社長になりました。去年、創業100周年にあわせ包装紙のリニューアルを計画され、そこに私が参加させてもらったのです。石田さんにいろいろインタビューして、今までの会社のこと、これからの会社のこと、大切にしてることなど、たくさん聞きました。初代の國三郎氏は、懐中時計にベルトをつけて、それを腕時計に仕立てたアイディアが大当たり。そこから始まったのだそうです。包装紙ってやったことなかったんだけど、連続模様にするための一個一個の配置がむちゃくちゃ難しいんですね。とにかく会社のポリシー「笑顔を大切にする」っていうこと、とっても大事だなぁと。それで、会社のイメージカラーと、歴史的な発明品の数々をモチーフに、なにかちょっとだけくすっと笑ってもらえるようなことを考えてみました。うまくいったかなぁ。とにかく完成です。お店は東京スカイツリーのソラマチ、荻窪のルミネ、中野のマルイ、国分寺のマルイに入ってるそうです。時計や、腕時計のベルトのご用命は石國商店へ♡日本橋高島屋の時計専門の店舗にも入ってますが、そこは包装紙は高島屋の包装紙。
https://www.1492.co.jp/news/detail.php?no=43

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賞をいただきました

本がたくさん写ってるでしょう?一冊はわたしがかいた『海のアトリエ』ですが、他は全部、他の作家さんの作品。でもこれらの本には共通点があります。何だと思いますか?これね、全部一人の編集者の仕事なんです。全部、広松健児さん(偕成社の編集部長)が、作家と組んで作った本(の一部)。「絵本なんて難しいもの、作家一人ではできないよ」そして、「絵本は、編集者が一緒に作るものだ、映画だってスタッフみんなで作るでしょう、それと同じ」と彼は言います。「物語は何かということをみっちり考えることができた大学生活だった、そのことが役立っている」とも言います。『海のアトリエ』は、広松さんに「子どもの時に出会って、今でも大切に覚えている人の話を聞かせて」と言われたことから始まったのです。そのあともたくさんの話し合いと試行錯誤。本番の絵を描いている途中、アトリエに来てくれて、絵がどっちに進むべきなのか、意見を聞かせてくれました。絵本ってほんとに、難しくて、しかも、絵を夢中で描いていると時々わからなくなっちゃうんです。仕事納めのあとの1230日にも絵を見に来てくれました。それで、どう思うか聞かせてくれるのです。言葉選びもまた難しい。。。よりよい言葉と、絵本の落ち着き先をとにかく一緒に探してくれます。このたび、江國香織さんが、Bunkamuraドゥマゴ文学賞にその広松さんと作った『海のアトリエ』を選んでくださいました。江國香織さんの作品を最初に読んだのは、27年前です。『こうばしい日々』(坪田譲治文学賞受賞作品)というすてきな作品でした。さあ、ここからが驚きで、その本を編集したのが、その当時あかね書房にいた広松氏だということをわたしはつい先日知ったのです。数えてみたら、担当した本が賞をもらうのは25冊目だそうです。ただ、私にとっては、社会に出てから初めての賞で、発表のあった9月3日は、皆さんからあたたかい言葉をたくさんいただき、本当に嬉しかったです。でも、わたし一人ではここに来れなかったこと、絵本を作るために尽力とテコ入れを惜しまない広松健児さんという人がいるということをお知らせしたくて書きました。09052021

『海のアトリエ』ためしよみ


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この『海のアトリエ』は517日に出る絵本です。子どものときに絵を習っていた絵描きさんと、行ったことある葉山の海の記憶をもとに描きました。刊行日前日まで、ネットギャラリーというサイトに全ページをPDF ファイルで見ていただけるそうです。ユーザ登録して見てみてくれますか?
https://www.netgalley.jp/catalog/book/220800
画像は、色校正用の試し刷りです。

平野甲賀先生のこと

ブックデザイナーの平野甲賀先生の訃報が飛び込んできた。大学院のとき、教室でちょこちょこ描いていたいちごの絵を「これ、ちょっと貸して」とおっしゃって、しばらくしたら「こんなのにしたよ」と、本の表紙に使ってくださってた。原稿料を振り込んでもらうために、初めて銀行に口座を作った。成城学園前の喫茶店で、新潮社の装幀室の方と先生が話すのをおとなしく横で聞いて、「先生の仕事の打ち合わせって雑談いっぱいして楽しそうだなぁ」と思った。ゆったりして、「まあ、大抵のことはどうでもいいことだね」という姿勢がめちゃくちゃかっこよかった。サンタクロースみたいな風貌。わたしは、若くて今以上に至らないことが多かったし、昔のことを思うと、恥ずかしさで叫びたくなることばかりだけど、平野先生の思い出はいつもあったかい。画像は、絵を使っていただいたリルケ全集の中の一冊。「リルケ」が甲賀文字、一目で先生のだとわかる造形。悲しいな。
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謹賀新年

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あぁ、とうとう、おつむがいかれたな、かわいそうに、と思われることとおもう。そのはずだ、2月に年賀状だもん。。。年末からずっと、なんやかやとあわただしく、やっとさまざまが手離れして、いま、年末とお正月のきもちを味わっている。そして、荒れ果てたアトリエを片付けた。片付けている最中に踏み台から落ちて、足首をくじいてたいへん痛い思いをした。それでもとにかく、2021年がわたしにもやってきた実感がある。気づくと、新型コロナウィルスで、世界がすっかり変わってしまった。どうかみなさまご無事でお過ごし下さい。