道具を作る

2-2-2015

いま、個展にむけて、立体を作っている。
せっせと粘土で作るのだが。ずっとやっていると、「こんな形のかんな(粘土を削る道具をこう呼ぶ)があったらいいなぁ、とか思い始める。そしてかんなの刃がなまくらになってくると「研ぎたいな」と思う。手作り道具の欲求へ一歩を踏み出した栄えある瞬間だ。そのことを言うと、制作をさせてもらっている工房の主催者の陶芸家望月集氏が、軍手をしてポータブル−のガスバーナーを取り出してきて、かんなに炎をあてはじめた。なましている(なます、とは、金属をあたためて、やわらかくすること)。ペンチできゅっと形を整えて、はいできあがり、もう一度ヤキいれ(火をあてること)をして、ほんとにできあがり。やすりをかけて目立てをして、完璧に使いやすい道具になった。道具の改良がなされると、作業が飛躍的に楽しくなる。はかどるし、気持ちがいい。そうなると、自分でも、オリジナルが作りたくなる、ごそっと粘土が削れてタフなかんながほしい。というわけで、わたしも作った。のこぎりの刃をなまして曲げた。丸い棒に針金でとめた。やすりで目立てをした。それがこんな道具。もうすごいですよ。ぐりぐり削れて感動。

2-2-2-2015