熊谷守一展

10-8-2014

岐阜県美術館でやっている熊谷守一展、見てきた。
これだけのクマガイ作品を見ることは、そんなにできないんだろうラインナップなことを知っていたし、他の都市に巡回しないことも調べてあったし…そしたら、もう行くしかないもんね。東京から、往復でほぼまる一日の遠出。
岐阜のいいとこって、長良川とかいっぱいあるんだろうからもったいない行程かもしれないけれど、展覧会だけでもうじゅうぶん、目とこころのごちそうになった。
アカデミックなムードの若描き作品から、単純化されてゆく過程をつぶさに見ることができるし、長女を亡くしたあとの斎場からの帰り道を描いた代表作《ヤキバノカエリ》は、かなしいテーマにもかかわらず、印刷ではうかがい知ることができない、「明るい色彩」と「なぐさめ」に満ちた作品だった。
やっぱり、絵は実物を見なくちゃ、ほんとにわからないんだ。あたりまえのことすぎるけれど。
小さい生き物を描いた絵、ネコを描いた絵、太陽を同心円だけであらわした絵、馬の絵、牛の絵、月と壁を四角と丸だけで表現した絵、「無一物」という書、あまだれのはねているところを描いた絵、う〜ん、すごいよ。ためいきです。体を悪くしてから、庭から出なかったという画家の、でもそれだけで世界はじゅうぶんモチーフにあふれているということの奇跡だぁ。
というわけで10月19日まで。お近くならぜひ。熊谷守一好きなら、遠くてもぜひ。